足(その2)
(こちらの記事は、2016年11月まで運用していた旧bodytuneサイトのブログ記事を転載したものです)
弦楽器の演奏と足はどのように関わっているでしょう。もちろん演奏そのものは上半身、特に腕の仕事です。だから腕よりも足が重要だまでは言いません。が、座奏にせよ立奏にせよ上半身のバランスを取るために足が果たす役割は小さくないはずです。
例えば、ステージを歩いて自分の席まで来て座るとき、つま先はどちらを向いているでしょうか。脛骨は構造上つま先と同じ方向を向かざるを得ません。そもそもその時点で自分にとってしっくりくる立ち方をしていないと、座るために膝を曲げながら脛骨の上でお皿の向きが変わるか、球形の股関節で帳尻を合わせるしかありません。でも、初めからしっくりしていないので、くるぶしにだんだんと違和感を感じてくるかも知れません。
でも大丈夫です。座ったままつま先の向きを変えればいいのですから。ももを上げてよっこらしょ、こっちの方がしっくりくるかな?ちょっと待ってください。その時に動いた重心のバランスを取るのに首を固めたり、腰周りの筋肉をキュッとしたり、片方のおしりを浮かしていませんか?こんなときこそ頭が動けて、脊椎が柔軟に側屈したり回旋したりするのを許して、おしりを上げなくても股関節は動かせることを思い出して、ただももが持ち上がるにまかせ、膝や足首は柔らかいまま、そして静かに床に降ろしていく。
股関節の動き(音声にご注意ください、Youtube動画につながります)
あるいはもっと前の時点にさかのぼり、ホールに向かうために電車に乗っているとします。揺れる車内で立っているときに膝をピンと伸ばして足を一本の棒のようにしていないでしょうか。膝をロックするためには大腿筋膜張筋と大殿筋を使って腸脛靭帯をピンと張ればよいです。それが楽で目的にかなっている場面もあると思います。ですが電車から降りて歩き出すとき、その緊張は解けているでしょうか。膝より少し上でももの真横のところが固くて圧すと痛いという場合は、先ほどの2つの筋肉がオンになったままかも知れません。そんなときにも頭が動いて脊椎の柔軟性があって股関節をつめることなく膝は自然な方向を向いて、、、そして歩き始めることができたら。
ホームから地上階へ行くのに階段を上がる必要があります。階段のステップに足を置いたとき、つま先はどちらを向いているでしょうか。不必要に内股になっていたり、あるいはガニ股になっていたり。くどいようですが、そんなときにも頭が動いて脊椎の柔軟性があって股関節をつめることなく膝は自然な方向を向いて、、、そして階段を昇り始めたら。
そんなことに気を配りながら立ちあるいは座って、楽器を手にとって演奏するとなにかいつもとは違うかも知れません。なにがどう違うのかはっきりとは分からない、けどなにか違う、そんな感じかも知れません。でもなにか違っていてそれがどうもいいらしい、ということであれば、やり続ける価値はあるでしょう。長い時間の後には大きな差となって表れているかも知れませんよ。
足については以上です。次回は呼吸について考えてみます。
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2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師
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