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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

音楽家のための鍼灸院の選び方

" 整動鍼 "

2021年3月17日

音楽家にとって良い鍼灸院とは何かずっと考えています。

 

開業以来「音楽家のための鍼灸」の看板を掲げ続けているからです。

 

普通に考えれば鍼灸は健康になるためにあります。

 

「健康のための鍼灸」が正解です。

 

でも健康ってなんのためでしょう。

 

先日ツイッターで流れてきた記事で生まれつき骨形成不全症の方が出産した際に、看護師やソーシャルワーカーから「どうするの!?」と言われて「専門家にまで私に育児はできないと決めつけられている」と感じたとの話を目にしました(≫ 「障害者と結婚なんて、大変そう…」 夫と私を苦しめた「〇〇なんだから」の思い込み)。

 

記事内容の本筋とは別に「専門家に ~ 決めつけられている」の部分がぐさっと刺さりました。

 

健康に関しては鍼灸師も一応専門家のはしくれです。

 

健康とはこういうものと手前勝手な決めつけを患者さんに押しつけてはいないか、気になってしまいました。

 

音楽家の場合症状の原因がまさに楽器にあり、やめれば治ると分かっていても「では楽器やめましょう!」と言えるか。

 

生きていることの中身と健康とどちらが大事かと言われたら前者だと思うのです。

 

生きていることの中身が音楽と深く結びついているとしたら、鍼の技術も音楽に照準を合わせなければなりません。

 

そう考えると音楽家のための鍼灸院は健康のための鍼灸院とイコールでない部分が出てきます。

 

そんな目線で音楽家のための鍼灸院の選び方を考えてみました。

NGな鍼灸院

「治りたかったら楽器をやめなさい」と言われる。

症状をやわらげるために一時的に休みましょうというのはあります。が、そもそも音楽や楽器に対して理解がなくて「遊んでて傷めるのはけしからん」くらいの感覚で言ってくる鍼灸師がいるやに聞きます。楽器をやめるだけで治るなら鍼灸は必要ありません。1人でやめたらいいだけの話です。楽器を続けてなおかつ治りたいから鍼灸に来るのに、ニーズにこたえる意思が感じられないところは避けましょう。

 

やたら怒られる。

患者さんを叱る鍼灸師のことをたまに耳にします。「健康」について確固とした信念があるのだと思います。よって、あれをしたらだめ、これをしなければだめ、と叱り口調で言ってしまうのでしょう。しかし鍼灸師=叱る人、患者さん=叱られる人、という関係性は健全ではありません。小さなマインド・コントロールと言っていいでしょう。人の自主独立と自己決定を尊重できない「先生」はちょっと気をつけた方がよいと僕は思います。

 

音楽や演奏のことについて関心を示さない。

患者さんの症状についてなにも知らずに施術することはできません。音楽家の症状と音楽ジャンルや演奏は密接に結びついていますから、たとえ未知の分野でも理解する努力が必要です。そこにまったく関心を払わずにさっと施術できてしまう人はかなりの確率で教えられた型をただやっているだけでしょう。それでも良くなる可能性がゼロではありませんがきちんと照準を合わせた施術をすれば、良くなる可能性はもっと上がります。

実績のある鍼灸院 VS 実績のない鍼灸院

それはもちろん実績のある鍼灸院の方が安心、、、と言いたいところですが一概には言えません。というのも音楽家向け鍼灸がまだまだ新しい分野だからです。現時点で実績があったとしても大した蓄積ではありません。やる気のある他の鍼灸師がまじめに取り組んだらあっと言う間に抜かれてしまうでしょう。

それに東京など都市部でこそ音楽家専門を標榜している院もありますが地方ではそれもないでしょうから実績の有無を確認のしようもないわけです。

 

ある程度ふるいにかける意味で、事前に電話やメールで聞いてみるとよいことをあげてみます。

 

症状の説明に専門用語を混ぜてみる。

「アップボウで手がふるえる」「アンブシュアに力が入らない」などの言葉をすんなり理解する鍼灸師なら音楽や楽器演奏について知識なり経験があります。ただし間違って欲しくないのは、分からない=実力のない鍼灸師ではないということです。「分からないので教えてください」と食いついてきたら少なくとも関心を持ってなんとかしようと思っています。なんとなく素通りで話が通じない感じなら、親身になって向き合う気がないかも知れません。

 

「症状を見てもらうために楽器持参してもいいか」と聞いてみる。

言葉で説明するのは難しくても実際にやってみせると音や動きの違いですぐ分かることもあります。それを理解してもらうために、院内で実演してもいいか聞いてみるのも一つの手です。もちろん治療院の環境によって無理なところもありますが、これがOKなところは音楽家の症状にきちんと向き合う気があると判断してよいでしょう。実際に施術を受けたなら前後比較ができるので、その鍼灸師の実力もすぐに分かります。

 

仮に音楽家を施術した実績がなくても前後比較しながら即結果を出せる鍼灸師も実は多いと思います。もともとの技術はいいので、音楽家の症状向けにカスタマイズできればよいのです。そのためにも症状の実際を理解する必要があり、実演して見せるのは大変有効です。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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