整動鍼基礎3編を修了しました
去年秋から取り入れている整動鍼、基礎とされる3編を修了しました。
基礎3編とは「脊柱」「四肢」「腹背」でそれぞれ症状のある部位ごとにまとめられた内容です(ツボの位置ではない点に要注意)。
僕の場合は腹背編から始めてその1か月後に脊柱編を受けました。
が、その後が自分の都合とかコロナとかあって半年くらいあいてしまい、、、
ようやく先日四肢編を終えることができました。
整動協会会員用ということで、こんなミニのぼりももらっちゃいました。
うちに来る患者さんは指の腱鞘炎とか腕の痛み・しびれなどの不調が多いので、四肢編から始めた方がすぐに役立ったかも知れませんが結果的にはこれで良かったと思います。
脊柱も腹背も要するに胴体の調整です。
胴体が整うと四肢末端が動くための初期条件が変わります。
そのため脊柱編や腹背編のツボで四肢の症状にアプローチする考え方もできるわけです。
あけていた半年ほどの期間は自分なりに考察してやってみる時間を取れました。
脊椎に効かせるツボで手の症状を解決したり(しかしツボはたまたま手にあるので局所治療にしか見えない)、腰に効かせるツボで膝の症状緩和をねらったり(これもツボが偶然にも脚にあるのでまったくの局所治療に見える 笑)。
貴重な発見としては管楽器奏者のタンギングのこわばりなど、アプローチが難しい舌の症状に手のツボが有効そうなことが分かりました。
こういうのは矢継ぎ早にインプットしていたら情報におぼれてできなかったかも知れません。
おかげでそれでもうまく行かないところが頭の中で整理されていて、四肢編を受けたときは欠けたピースがスッとはまる感じで入ってきました。
基礎3編を修了してなにが変わったでしょう?
僕の場合は使うツボの大幅合理化に成功しました。
多くの患者さんは症状1つだけでいらっしゃることはありません。
慢性的に首肩こりがあって腰も悪い人がとどめに指がしびれたので来るとか、便秘気味で目が疲れやすい人がとどめに背中が痛くてブレスに支障が出たりして来ます。
こういうとき現代医学的な鍼灸では主訴を1つにしぼって対処します。
僕はこういうのもできるだけひとつかみに対応したくて古典的な鍼灸をやっていました。
古典の弁証を使えば症状が複数あっても1つの証として扱いますからできると思っていたのですね。
しかし証だけに基づく施術は効いたか効いてないかとても分かりづらい。
そのため症状に特化した奇穴や特効穴を適宜追加していました。
1回の施術で使っていたツボはだいたい14個くらいでした。
整動鍼を学び始めてそれが10個以内になりました。
基礎3編を修了した現在、平均5つくらいです。
最近では手の親指の痛み、腹痛、大腿の痛みと顎関節痛のある人がいらっしゃいました。
優先度はつけなきゃいけないので「いま一番なんとかしたいのはどれですか?」と聞きましたが、頭にはこれらすべて置きながら体の状態を確認しツボを選びます。
この方のときは幸いにも1つめのツボで親指の痛みが解決してしまい、腹痛に対するツボを4つ使ったらなぜか大腿の痛みも軽減していたので、2つツボを追加して顎関節痛まで解消することができました。
それでも7つです。
整動鍼には証という概念はありませんが、体の状態を動作や身体所見をヒントにできるだけひとつかみに把握するよう試みます。
そしてこのようなやり方で効果も出せる方法はなかなかないと思います。
患者さんも僕もびっくりしました。
こういう性能の良い技術体系はうちの患者さんにぴったりです。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師