触診は人類生まれつきの能力ではない
先日、整動鍼のセミナーに行ってきました。
これで4回目くらい。
少しずつツボの取り方に慣れてきました。
いや、それはないですね。
正確にはツボの取り方の習得の仕方のポイントに慣れてきたところです。
整動鍼ではツボの位置が重要と言われます。
でもね、セミナーで配られる資料には精確に分かりやすくその位置が説明されてるのです。
え?こんなの楽勝じゃん。
一見してそう思います。ところが、、
実際に取ってみて講師に確認してもらうとことごとく外れです。
「ここです」と言われたところを同じように触ってみても「は?」という感じでツボとそうでない場所の違いがまったく分からない。
初めて参加した時、これは触診の概念がまったく異なると気づきました。
普通、触診で使う感覚は五感のうちの触覚だと思ってしまいます。
これが違うのです。
人類に生まれながらにして備わっている感覚ではありません。
むしろこっちが近い。
↓
触診では皮下組織を押した時に反発して跳ね返ってくる情報をひろいます。
またツボに応じた手の使い方をしないと有益な情報をうまくひろえません。
だからどんなやり方でも触れて押せば「ああ、ここ」とはならないんですね。
生まれながらに備わっていないことに開き直ってしまうと、そりゃ最初からできるわけないよねと納得。
必要なのは観測・検査機器の開発です。
そのために想定していることを4つに整理してみました。
1.触れ方・押し方のレシピ:どの指で、指のどの部分で、どの方向へ、どのくらいの力で、といった自分がやるべき動作を手順化。
2.センサー:指先は純粋に感覚の生情報を受け取るだけ。情報をひろいに行くとセンサーの役割を果たさなくなるので、むしろ何もしないことが大事。
3.変換ソフト:指先でひろった生情報を認知可能なイメージに変換できるように。情報が蓄積されれば脳内で勝手に最適化してくれると期待。
4.投影モニター:講師が言うツボのイメージがすでに投影されているので、1~3を経て自分が持ったイメージとすり合わせる。
やってみると生まれたばかりの赤ちゃんの物の見え方ってこんなかなあと想像したりしてわりと面白いです。
↓
はっきりとツボが見えるよう早く大きくなりたいと思います。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師