胸郭の動きでコントラバスの演奏が変わった
プロ・コントラバス奏者澤井さんとの5回目のアレクサンダー・テクニーク レッスン。
先日、管楽器奏者に試してみて呼吸に効果があったエクササイズを弦楽器奏者向けにアレンジしてやってみました。
今回特に注目だったのは胸郭を前額面(ぜんがくめん)上で回転させる動きでした。
平たく言うと右肩が上がった時に左肩が上がり、左肩が上がった時に右肩が下がる動き。
ただしこれを肩から先行させるのではなく、肋骨、胸骨、背骨のユニットが回転するものとして動かして、結果として肩の動きがついてくるようにします(なので図では意図的に腕や肩は描いていません)。
また顔はあくまでも水平を保つようにします。
これらを守ってやろうとすると脊椎の側屈やひねりがないとうまく行かないことに気づきます。
何回かこの動きを練習してからコントラバスを弾いたら、
「ちょっと上半身を使っただけで何もしていないのに自然と弦に重さがかかる、腕で弦にかけていた力がいらなくて肘が楽ですね!」
と澤井さん。
やってみて気づくのはもともとは腰のあたりや腕の力をもっと使って弾いていたことだそうです。
胸郭を動かすことで背骨の動きが促され、腰~脚とか腕に頼っていた力がもっと分散して作れるようになったのかも知れません。
一見、機械的に可動性を確認するだけのエクササイズですが「型」どおりやってみる良さもあって、「自分なりに」やっていては気がつかない動きの可能性が見えてきます。
体がその動きを覚えているうちに楽器を弾いてみて何かいいことがあるのなら、それは演奏に使えますね。
胸郭や背骨の動きは自分には見えないので、具体的にどうしたら良いか分かりづらいですが、このエクササイズなら理屈で動きを分解しているので誰でも取り組むことができます。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師