プロの学び方
先日はコントラバス奏者澤井さんとのアレクサンダー・テクニーク4回目でした。
以前バジルさんから、プロ演奏家とのレッスンはこちらがやって欲しいことがすぐできるようになるのであっと言う間に進む、と言われたことがあったのですが、まさにそういう感じで進んでいます。
回数自体はまだ4回と少ないのですが、前回やったことを吸収し自分で試行錯誤してさらに先に進めた上で次に持って来られるのですね。
前の印象と違うところから始められるので、こちらの方が面食らいます。
例えば前回のポイントの1つに、腕を鎖骨から動けるように、その動きに肩甲骨もついていかせて、どちらかと言うと体の前側で腕を使うことで弓がさばきやすくなるようにというのがありました。
今回は上半身全体の立たせ方が初めから少し前方向に変化していたので、前回と同じくらい腕を前にするとかえってやり過ぎになるわけですが、そのことを既に自分で理解していて「なので今はそこまで腕を前にしていません」と説明してくれました。
これだけでなく、足の置き場所、椅子の座る位置、楽器の体への預け方など全てを上半身に合わせて再調整されていました。
こうした見直しのプロセスで一時的に弾けなくなることもありましたが、今は疲れにくくなったし松脂をそんなに塗らなくてもよくなったそうです。
力の伝達がそのくらい効率的になったのでしょう。
ちなみに上半身を前方向にとかそういう1つ1つの形に絶対的な意味はありません。
1つ1つのパラメーター設定を変えて動きに変化をつけているだけです。
重要なのはそれをやることで出したい音、やりたい音楽に近づいているかどうか自分で比較して選び取ること。
澤井さんとのレッスンでは澤井さんが自分でどう考えていてそれゆえにどういうやり方でやってみていてその上で新たに生じた不都合にどんなことがあってその解決のために考えたことはこういうことで・・・と話してくれることに僕から別の視点やアイデアを入れて試してみる形で進みます。
こちらからのインプットももちろんあるのですが、それをやってみながら同時に自分からもアウトプットして腑に落としていき、1人で練習する間もそれをずっと続けていてさらに進化させるという。
プロの学び方ってとっても勉強になります。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師