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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

鍼灸師のお道具こだわりポイント

" 東洋医学 "

2019年2月2日

鍼灸の道具はシンプルで、管と鍼、以上です。

 

鍼は細長い針金みたいな本体部分とそれよりは太い持ち手の部分でできています。

 

施術

これを管に入れて体に当て、管から少し飛び出た持ち手の部分を指先でトントンたたくことで鍼を入れていきます。

 

この管と刺入時の痛みについてかつて研究した論文があります(>>鍼管と刺痛の関係)。

 

これによると管は太い方が、そして内径が持ち手の径ぎりぎりである方が刺入時の痛みが小さくなるとされています。

 

管は太い方が皮膚との接触面が増し感覚がそちらに気を取られるので、鍼先が刺さる痛みを感じにくくなります。

 

また、内径と持ち手の間にあそびがあり過ぎると管の中で鍼があばれて刺す時の痛みが大きくなるので、両者の寸法がぎりぎりの方が良いわけです。

 

鍼灸師の立場からも内径と持ち手がぎりぎりの方が良い事情があります。

 

鍼は細いので、鍼先にとって管の内径はこんなに余裕があります。

 

持ち手のところであそびがあるとただでさえぐらぐらのものがもっとぐらぐらになります。

 

そうするといくら精確にツボをねらおうとしても管の中のどこに鍼先がいるのか、また刺した後もどの角度で刺さっていくのか、けっこうな誤差が出てくるのです。

 

鍼灸師によってゆずれない部分はいろいろでしょうが、僕の場合は位置、角度、そして深さです。

 

深さはともかく位置と角度において管の役割はけっこう大きいのです。

 

そういう観点でときどき使ったことのない鍼を試しています。

 

上の写真は、右がセイリン、真ん中がユニコ、左がファロス、いずれもメーカー名です。

 

セイリンは鍼灸学校時代に学校指定でよく使っていましたが、この3つのうちでは一番内径が広いです。

 

そのため最近はメインの鍼としては使っていません。

 

ユニコは比較的内径がタイトに作られていてねらいやすいので現在メインで使っている鍼です。

 

ファロスは先日試しに少し入れてみてまだ実際に使ったことはありませんが、わずかながらユニコより内径が細く、ねらいやすい印象です。

 

ただ、管そのものも細くなっているので、刺す時の痛みがどうなのかいろいろテストしています。

 

問題がなければむしろこちらの方がいいかも知れません。

 

あらためて比較してみると、プラスチック管のディスポ鍼といえばセイリン一辺倒だった時代から、最近は管の太さと内径を気にするメーカーが出てきている印象です。

 

手元にはないものの別のメーカーで正に太い管と細い内径を売りにしているところもあるようで、ぜひ試したいところです。

 

そうして、より自分の志向に合った鍼を使って技術を高めていければと思っています。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

カテゴリー: 東洋医学. タグ: .
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