動きの効率性
こんにちは!ハリ弟子です。
昨日は筋肉を動力源としてではなくテンション発生装置とする見方と、それが働きやすくなるための頭の重要性について書きました。
頭といえばアレクサンダー・テクニークです。
アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けると、1つの傾向としてターゲットまでの最短距離を結ぶような動きを効率的と見なすことが見えてきます。
山のように当てはまらないケースもあるので、あくまでも1つの傾向としてですが、図のように壁の棚に置かれたボールに手を伸ばす時、手とボールの最短距離、つまり赤い矢印のように手を動かすのがもっとも効率的と考えます。
赤い矢印にしたがって手がボールに向かうように指先からリードして、手首の関節、肘の関節、肩の関節、鎖骨の付け根の関節が動くとあたかも腕を動かしてるだけのような感覚でボールに手が届きます。
関節がいくつもあるので、これを実現する動きのバリエーションは無数に作れますが最短距離を結ぶ点は基本的に変わりません。
多くのケースで起こるのは、上半身が後ろにのけぞってかえってボールから離れる方向に動いたり、
肩甲骨を後ろに引き寄せることで、これもまたボールから離れる方向の動きが加わったり、
あるいはその両方が起こります。
腕を上げると重心が前に動くので、バランスを取るために後ろ側に引く動きは理にかなっているように見えます。
しかしアレクサンダー・テクニークのレッスンでこれが起こると十中八九止められます。
どうしたらよいのでしょうか?
ここで筋肉によるテンション発生のしくみが役に立つような気がしています。
頭が高いところで自由に動けて、全身の筋肉のテンションを必要なだけ張っておけば、あとは手が動く方向性を考えたら関節は後追いでいい具体の角度に曲がってくれます。
この時はたから見ていたら、後ろに引く動きは消えていてただ前に向かうか、あたかも腕だけを動かしているように見えることでしょう。
次回に続きます。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師