チューバ奏者のアンブシュア不調
来院者
男性 30代 チューバ
期間
2019年5月
症状
1年ほど前に慣れない楽器(人から借りたもの)を使って周囲が大音量の中、自分も無理して大きな音を出さなければならない現場があって以来、唇まわりに違和感を生じるようになった。具体的には第4倍音(B♭)から第6倍音(F)あたりのやや高めの音域で音が安定しない。それよりも低い音域と高い音域では特に問題を感じていない。
施術と経過
演奏を見ると特に問題の音域で頬がピクピクとふるえてしまっていた。ふるえが起こるエリアはちょうど口角を引き上げる作用の筋肉があるところだった。触診すると頬骨の下あたりの筋肉がかなり固く硬結を認めた。
演奏に必要な表情筋の作用がうまく働いていないと考えて、該当の表情筋をゆるめ、かつ反応性を高めれば良いと考えた。
施術後、再度吹いてもらうとアンブシュアが安定し「だいぶいい」との感想を得た。
調子を取り戻すための練習方法として、金管楽器の演奏に必要な要素(アンブシュア、表情筋、息:吐く筋肉と吸う筋肉のバランス)をおさらいし、それぞれ1つずつ変化させながら音との関係性を再構築することを提案した。特に息については楽器を吹くために吐くことしか考えていなかったとのことだったので、いわゆる呼気時の吸気的傾向(息を吐きながら吸うための筋肉も働かせ続ける奏法)のやり方を具体的におさらいした。
使用したツボ
四白L・R、大迎L・R