ヴァイオリン演奏がきっかけの肩の痛み、しびれ、指の冷感
症状
プロのヴァイオリン奏者。1年前に狭い会場で演奏することがあり、無理な姿勢で弾いていたら左肩前面が痛くなった。それ以来時々その痛みがぶり返している。その日(施術当日)は演奏動作の中でハイポジションからローポジションに移る際に突然、左腕に力が入らなくなり、そのまま楽器ごと腕が落ちて上げられなくなった。左の鎖骨下から左肩前面にかけて痛みがあり、左手指が冷たく感じる。
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来院者
女性
50 代
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期間
2020年1月 -
頻度
1回通院 -
通院回数
1回
施術と経過
触れて確認すると左鎖骨下から左肩前面が強い緊張で硬くなっていた。また左肩甲骨上角に強い緊張があり、押すと圧痛とともに腕の方にビリビリとしびれが走った。
まず肩前面の緊張をゆるめるため下腿のツボに鍼をしたところ「痛みがやわらいだ」「指に温かさが戻った」「腰の左側がうねった」との感想を得た。
次に肩甲骨上角の緊張を取るために肘のツボに鍼をした。再度押してみると圧痛がかなり減っていて腕に来ていたしびれも消失した。
最後に残っていた違和感に対応するため肩甲骨と背中のツボに鍼をした。施術後に状態を確認いただくと左肩の痛みはさらに減少し、指に血が通う感覚が戻ってきた。また動作においても腕が施術前より上がるようになった。
使用したツボ
まとめ
ヴァイオリンを構える姿勢において、鎖骨と頭のうなずき(頚椎の動き)はとても重要である。解剖学的に鎖骨/肩甲骨は必ずともに動く関係にあり、その動きが上肢末端である手指にも影響を与えている。また頚椎と胸椎も連動していて、その連動のしかたが鎖骨/肩甲骨を介して手指にも影響する。要するに脊椎と鎖骨/肩甲骨の関係性に着目し、その間の張力を整えることで症状が緩和すると考えて施術した。その結果、痛みや冷感、可動域などさまざまな症状に対応できた事例である。