歌手
来院者
女性 20代 歌手
期間
2019年5月
症状
J-POPやロックを中心に活動中の歌手の方。
連日ライブ活動で喉を酷使したせいか3日くらい前から地声と裏声が切り替わる音域で声がかすれる。特に裏声が出しづらく音程を当てるのが困難。数年前に声帯結節の既往あり。また花粉症のため夜寝る時に口呼吸になっていることがある。
翌日にも仕事で歌うためできる限り状態を良くしておきたいので来院。
施術と経過
喉まわりを触診したところ若干の熱感があり、胸鎖乳突筋、舌骨や喉頭とつながる筋肉に緊張を認めた。また後頚部にも緊張があった。熱感を生んでいるであろう炎症はすぐには変化させられないが、喉まわりの筋肉の緊張を解除できれば声の出しやすさが変わる可能性があり、治癒の促進にもつながると考えた。また胸椎のツボにも硬結があり肋骨の動きに制約を生じていて呼吸をさまたげていると推測。声帯をどれだけ閉めても息の流れがなければ声は出ない。現在の声帯の状態に合った息を供給できるよう胸郭の動きの自由度が必要と考えた。
謡人結節で有名な肩のツボと喉まわりをゆるめる手のツボ、肋骨の動きを改善する脊椎のツボを中心に施術。
施術後「声が出しやすい」との本人の感想を得た。少し話してもらって声のかすれ度合いが減ったことを確認。
またアレクサンダー・テクニークのハンズ・オンで頚椎の上で頭蓋骨がバランスよく載っていて、頭の重さを支えるために過度に喉まわりの筋肉を使わなくても良い状態を確認。歌のない合間に少しでも喉の負担を軽くできるようアレクサンダー・テクニークを1人でできるエクササイズを伝えた。
使用したツボ
臂臑L・R(灸)、合谷R、後渓L・R、C7夾脊L、T4夾脊L、T7夾脊R、膈兪R