弦楽器
来院者
女性 40代 ヴィオラ
期間
2019年2月
症状
長時間弾き続けていると右手首橈側に鈍痛が生じ、力の加減が難しくて演奏中に弓を落としそうになる。特にff直後の弱音やドルチェ、ミュート外してすぐの先弓でのpの場面で弓を落としたくないので力が入って音がぎこちなくなりがち。弓を落とすのも音に出てしまうのもどちらも怖く、手汗が出て余計滑りやすくなる悪循環にはまってしまう。
整形外科を受診したところ右手指の腱鞘炎で薬指以外の全指で炎症があることが分かり、パラフィンによる温熱治療をしている。
さらにできることがあればと思って来院。
施術と経過
触診したところ、右肩甲骨と脊椎の間に硬結を確認した。また、ふくらはぎの肩こりに関係するツボも顕著に硬くなっていた。
肩こりから肩甲骨及び鎖骨の可動性が損なわれ、腕の動きが制約されることで腱鞘炎や力のコントロール不調を生んでいると考え、肩甲骨と脊椎の可動性を回復し、肩こりに効果のあるツボを中心に施術することとした。
合わせてアレクサンダー・テクニークの観点から鎖骨・肩甲骨を前の方に運び、肘の屈曲・伸展を積極的に使って弓と弦が当たる角度など調節するよう提案したところ、先弓でも置きやすくなり手首や指も楽になった。
数か月後、別の症状で来院した際に、腱鞘炎も治り弓を落としそうになる症状も解決したことを確認。
使用したツボ
C7夾脊R、T7夾脊R、魄戸L・R、膏肓R、膈兪L・R、飛揚L・R
来院者
女性 30代 ヴァイオリン
期間
2019年4月
症状
プロとして活動するヴァイオリニストの方。
数年前から左右ともに手首と指が痛むようになり、ヴァイオリンを弾くと症状が悪化するので練習時間をセーブしている。
病院では腱鞘炎・関節炎と診断され、耐えられない時は注射で緩和したりセレコックス(消炎・鎮痛剤)を服用して対処している。
他に痛みを感じるほどの首肩こり、腰痛がある。
施術と経過
頚椎を含めて脊椎の近接部位に痛みがあり、触診すると傍脊柱筋の緊張度が高いように見受けられた。また上腕二頭筋や前腕の屈筋、伸筋群も強い張りが認められた。
全身にテンションを少しゆるめるようなツボの選択をするが、手首や指との関連では特に肩甲骨と胸椎のツボを使うこととした。
施術後、首の痛みが消えて上を見上げる動作が楽にできるようになった(術前は痛みで困難だったとの話)。
また手首の痛みも消失。ただし、肩甲間部の痛みが少し残ったのと前腕部が重だるい感じになり今後の課題となった。
使用したツボ
尺沢R、孔最R、C5夾脊L・R、T3夾脊L、T5夾脊L、天髎L・R、膏肓L・R、委中R、飛揚L・R
来院者
女性 40代 ヴィオラ
期間
2017年8月
症状
ずっと以前から演奏にともなう首・肩のコリや痛みには悩まされていた。
整体やマッサージでも取り切れないことがあり、今回は鍼灸を試してみようと思い来院。
施術と経過
肘から親指にかけて、また、首から肩背部、腰部にかけて強い張りがある。
特に左の肩甲骨の上と腰に著明な硬結があった。
ヴァイオリンやヴィオラでは、楽器を支えるために胸椎を固定して腕を動かすことが多く、そのために首や肩など他の部位に負担がかかる。
まず、脊椎の回旋の可動性を回復し、次に、それでも残っている局所の硬結にアプローチした。
使用したツボ
大椎、Th5夾脊、腎兪(L)、肩井(L)