寝違え・首の痛み
来院者
女性 40代 ファゴット
期間
2016年10月
症状
数週間前に右後頚部の筋肉が突然つった(きっかけとなった動作は覚えていない)。それ以降、朝起きる時に寝違えたような感覚が残り、右腕が常時なんとなくだるく、右手のキー操作がやりづらい状態が続いている。また、後頭部痛(右)がある。
施術と経過
バリトン・サックスやファゴットなど大型木管楽器は楽器を斜めにかまえるため左右のバランスがとりづらい。重さはストラップ経由で首にかかるが、楽器のかまえは右により重さがかかるため、右側の首から肩、腕にかけて緊張した状態になりやすい。さらに複雑なキー操作も要求される。
演奏動作でつちかわれた筋緊張は演奏を離れてもすぐには抜くことが難しい。筋緊張が慢性化すると血流に影響を及ぼしたり、神経を圧迫したりして、痛みやだるさといった症状を引き起こす。触診の結果からも、右側の肩甲挙筋、胸鎖乳突筋、斜角筋、前腕伸筋群等の緊張がみてとれた。
本来、重さは脊椎が担うことで腕はかまえの位置修正やキー操作に専念できた方が、より効率的な身体の使い方ができる。そのためには楽器の微妙な重心移動に対応できる脊椎の可動性(回旋の動きなど)を回復しつつ、脊椎から肩甲骨、腕に向かう筋肉のテンションを最適化する必要がある。
本症例では、胸鎖乳突筋、後頚部、肩甲間部を中心としてアプローチした結果、頭痛も腕のだるさも著しく軽減できた。
使用したツボ
天容R、風池R、天柱R、三陽絡R、膏肓、腎兪、T5夾脊、T7夾脊