ピアノ演奏がきっかけの親指の痛み
症状
趣味でピアノを弾いている。数か月前からピアノ演奏時に左親指が痛み、左手首に違和感をおぼえるようになった。痛むのは親指の付け根(CM関節)と親指~人差し指間の股の部分。動かさなければ特に痛くないが、ピアノ演奏中オクターブで指を開くなど特定動作でピキっとくる。きっかけはピアノだったが2週間前からさらに悪化していて、現在は以下のような日常動作でも痛みが誘発される。
・ビンのふたを開ける
・ドアノブを回す
・ズボンをはく
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来院者
女性
60 代
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期間
2020年2月 -
頻度
1回通院 -
通院回数
1回
施術と経過
痛みを誘発する動作を観察するためペットボトルのふたを開けてみてもらうと、前腕の回内・回外の動きが使われていないために手首が動かず、親指に負担がかかっていることが分かった。痛む局所は親指だが腕全体の動きをスムーズにつなげるよう調整すれば良いと考えた。
そこで腕の動きに関係するツボを選んで前腕と手首に鍼をした。施術後に再度ペットボトルのふたを開けてもらうと痛みはほぼ解消していた。
あらためて触れて確認すると腕の付け根の筋肉の硬さが目立った。腕の付け根が硬いままだと早晩指の痛みが戻ってくると考え、脚のツボでこれをゆるめて終了とした。
使用したツボ
まとめ
指の痛みは指以外の体の動きとの関係で起こっていることが多い。そのため痛みを誘発する動作においてどの関節が使われていないのか観察し、なぜそこが使われないのか分析するとヒントが得られる。本例では全体の動きの中で局所の痛みをとらえることが奏功した。