サックスで難曲の演奏をしてから左手指が動かしにくい
症状
3か月前に技術的難易度の高い曲に集中して取り組んでいた。その曲の本番が終わってから1週間後に左手指の動きがおかしいことを自覚。当初は「薬指の上がりが遅い」ことから始まり、「長く練習するとこわばる」「ふるえ」「指が浮くような感覚がしてトーンホールが開いてしまう」「第1関節(DIP)が折れて痛む」ようになった。整形外科では「ディストニアもどき」と告げられた。次の本番が近づいていてこのままではキャンセルの可能性が出てきたため来院。
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来院者
女性
20 代
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期間
2019年11月 ~ 2019年11月 -
頻度
週1回程度 -
通院回数
3回
施術と経過
1回目 サックスの演奏動作を見せてもらうと左前腕に緊張とふるえが観察された。特に回内・回外の動作がほとんど使われていないことが運指の制約になっていると推測した。さらに上腕と肩に目を向けると肩甲骨を背中に引き寄せることで楽器を支えているように見えた。そこで前腕と肩甲骨のツボを使って腕の動きを促したところ、指先まで力が入れられるようになり第1関節が折れること(DIPの過伸展)はなくなった。
2回目 ふるえはほぼなくなっていたが左手指のDIP過伸展と痛みが残っていたので1回目と同様の施術を行う。
3回目 左手指のDIP過伸展は改善して指が痛むことはなくなった。一方で手首に痛みを感じるようになった。肩関節の前側に強い緊張を認めたので、対応するふくらはぎのツボに鍼をした。すると肩の緊張がゆるみ手首の痛みも和らいだ。
その後、本番で無事演奏できたことを確認し、以後はコンディションに応じて対応することでひとまず終了とした。
使用したツボ
まとめ
木管楽器のキー操作は指だけでなく腕や肩甲骨の動きが関わっている。難易度の高い曲を負荷をかけて練習したことで腕の緊張が残り、結果として指が動かしにくい状況を生じたものと推察した。精確な動作観察によりツボを選択した事例である。